アジャイルは価値駆動型開発だ。
価値とは顧客視点での価値である。
顧客目線で価値あるモノを定義するのはプロダクトオーナー(プロダクトマネージャー)の役割だ。
アジャイルでは顧客の価値単位で、その要求をプロダクトバックログに装填していく。
そして、プロダクトオーナーは、プロダクト要求一覧の優先順位付けをして、最も価値の高いプロダクトバックログ項目から、開発チームに発注していく。
バックログ項目はユーザーストーリーと言われる形式で表現されることが多い。
ユーザーストーリーは、プロダクトオーナー、または顧客や利害関係者が直接書いた要求メモである。顧客の生の声だ。
開発チームは、ユーザーストーリーをきっかけに、プロダクトオーナーと対話し、ニーズの背景を掴み、要求を掘り下げ、受入基準を特定し、実装イメージを膨らませる。
ユーザーストーリーひとつが、顧客価値ひとつを表わしている。
だから、ひとつできたら、顧客にひとつ価値を届けられる。だから、お客様に実際に喜んでもらえる。
担当者、データベース、アプリケーション等、組織の構造上の都合ではなく、顧客基準で価値を定義し、実現していく。
具体的には、以下の法則である。
- 組織 < 顧客
- 管理者の声 < 顧客の声
- 社内ルール < 顧客ニーズ
- 上司の満足 < 顧客の満足
- 自分の作業のしやすさ < 顧客価値の実現
個々のプロダクト・インクリメントは小粒でも、顧客が欲しいモノから順次届けていく。
顧客の価値を早い段階から創造し、顧客の満足とプロダクト・ロイヤルティを漸進的に育んでいく。