チェックリストは形骸化しがち。 チェック項目を「完了の定義」に含めよう

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あなたはチェックリストを使っているだろうか。

チェックリストには、すべき事が一覧形式で網羅されている。
だから、成果物であれ、プロセスであれ、漏れなく完了しているか点検するには有益な方法である。

だが、チェックリストが正しく使われていることは希だ。。

私がよく目にするパターンは、次の2つである。

  1. チェックリストの作成が目的化しており、作成されたら終わり。その後、ほとんど使われない
  2. チェックリストが形骸化している。チェックリストにチェックがついて、検印まであるのに、何故かインシデントが起こっている

チェックリストが、シェアポイント深くに眠っていることはないだろうか?
3年前のチェックリストが放置され、そのまま更新されずに残っていることはないだろうか?

チェックリストを意味あるものにするなら、実際に使うこと。
そして、その効果を享受するためには、継続的にアップデートし、最新の状態を保つことだ。

チェックリストに、必要な項目が抜けていることで、欠陥品が生じることがある。
その際、再発防止に向けて、原因となった項目をチェックリストに追加しておく。
今日万能なチェックリストが、明日も完全無欠とは限らない。

本当に必要なチェックは、プロセスに組み込むのがいい。プロダクトを作る工程にチェック項目を埋め込み、プロセスと一体化するのである。
そして、個々の工程で完全な状態にして、次の工程に回す。後続のプロセスに、不良品を流さない。
各工程で品質を作り込むトヨタ自動車の「自工程完結」スピリットである。

チェックが必要なのは、うっかりがあるから。
うっかりは、ペアで作業することでも防止できる。ペアでチェックし合うのは、ぽかミスを防ぐ効果的な仕組みだ。

チェックリストは、レアケースでも効果的だ。
レアケースの場合、作業者の習熟度も高くない。だから、チェックリストを使って抜け漏れがないか点検するのは有意義だ。

チェックリストを使う時、一つ一つの項目毎に、突合チェックを入れる。

一度にまとめてチェックしてから作業する人がいるが、これは意味がない。
本来のチェックリストの目的を欠いているケースだ。

手順をひとつ実行する度に、該当するチェック項目にチェックを入れる。

チェックリストは正しく使ってこそ意味がある。
チェックリストを導入するなら運用ルールを作ろう。そして、ルールを徹底しよう。

毎日の作業ではチェックリストが形骸化しがちだ。
そんなときは、ペアで確認し合うプロセスがいい。作ると同時にチェックする。作ってチェックして、チェックしながら作る。どちらが先かわからないくらい頻繁に行えば、プロダクトの品質があがること請け合いだ。

ステップ毎の逐一チェックに加え、一連の作業が終わった際、まとめて行うチェックもある。

  • 開発後のテスト
  • テスト後の品質保証
  • リリース管理/本番移行承認

いずれも伝統的なチェック作業である。
これらのチェックもプロセスに組み込もう。
テスター、QA担当者、リリースマネージャーのチェック事項を、開発チームが実装すべき「完了の定義」に盛り込もう。

チェックする目的は、チェックリストを埋めることではない。
健全なリリースができることである。

一番いいのは、スプリントにチェック事項を取り込み、プロセスの中で作り込んで行くことだ。

スプリントの「完了の定義」にリリースまでのチェック項目を取り込めば、残作業はないから、スプリント終了と同時にヘルシーなリリースが実現できる。

スクラムの「完成の定義」はたったひとつ。「完成の定義」を全員で合意しよう

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