利用者ペルソナの詳細化が感動を与えるプロダクトをつくる

懸命につくった製品・サービスが鳴かず飛ばずだと報われない。

なぜ、そんなことが起こるのか。

市場調査して、聞き取り調査をして、試供品で反応を観察して、ゴーにもかかわらず、いったいなにがまずかったのか。

新商品の機能要件・機能要件を漏れなく実装することは大切だが、ターゲットとなる顧客層への訴求力がいまひとつであったためかもしれない。

利用者を絞り込む → 購買層の母数は減るが、購買意欲は上がる。
利用者に幅を持たせる → 購買層の母数は増えるが、購買意欲は下がる。

プロダクトにもよるだろうが、私が考えるプロダクトは非常に付加価値が高いプロダクトを前提にしている。

現代はモノが溢れている。

「わたしも電話を持ちたい。」
「お隣のお宅のように、わたしも冷蔵庫が欲しい。」
「ともだちのYちゃんと同じ薄型テレビが欲しい。」

昔と違って、現代の人は、大抵のものを持っている。
だから、今欲しいモノは特別なモノだ。プレミアムなモノかもしれないし、エクスクルーシブなサービスかもしれない。巷に溢れているモノではなくて、なかなか手に入らない高品質なものだ。

現代は、個性とか自分らしさを重視する時代だから、皆と同じという画一性は求められない。
だから「あなたのために!」のプロダクトでないと普通にスルーだ。

では、購買層に特別な価値を認めてもらうプロダクトはどうやったらできるのか?

まず最初にしなくてはならないのは「誰が利用者なのか?」を特定することである。

類似商品でも顧客が変われば、ニーズが変わる。だからつくる内容が変わる。

例えば車両を届ける場合、利用者が20代なのか、40代なのか、70代なのかで変わってくる。
20代なら家族はいないから2シーターでもいいかもしれない。収入も限られているから高額ではいけない。でも彼女を乗せるから格好いい車がいい。

一方、40代なら、家族みんなで出かけられるSUVがいいとか、安全性重視とか、いろいろあるだろう。

70代なら、軽自動車みたく小回りがきいて燃費良好なのがいいかもしれない。

だが、このレベルのディテールでプロダクトを作るのは非常に危険だ。もっと落とし込まないといけない。煮詰めないといけない。

20代でも、ターゲットとする利用者は、スポーツ選手かもしれない。競技場までの足として使うから、道具や着替えも運ぶために後部座席がある4シーターがいい。でも、人が乗るわけではないから、格好良さ重視でドアは2枚がいい等。これをどんどん具体化していき、利用者ペルソナを作る。

例えば、以下の問いを通してペルソナを詳細に定義する。

具体的に道具とは何を指すのか?
どれぐらいの重さ?
どれぐらいの大きさ?
移動は普段着?スーツ?
移動する距離は?
かかる時間は?
高速道路は利用する?
住んでいるエリアは?
年収は?
家族構成は?
ペットは?
マンション?それとも戸建て?
ガレージは何台分?ガレージのサイズは?
車は1台目?それとも2台目?それとも3台以上?
他に車両をつかうシーンは?
奥様も使う?



定義することは山ほどある。

究極系は、一人の顧客からフルカスタマイズで車両の注文を受ける場合だ。エクステリア、インテリア、オプションは当たり前。更に、燃えても焼けない小型金庫をダッシュボードの中に作ってくれとか特別な要求もあるかもしれない。

ペルソナの場合は一人ではないが、プライマアリー・ペルソナとして代表的な1人を設定することになるから、考え方は同じだ。その人が泣いて喜ぶまでとことん作り込む。
当然、ビジネスとして成り立つためには、ペルソナの対象顧客が相当数いて、泣いて喜ぶレベルの作り込みをしても健全な利益が見込めることが前提である。

顧客1人の特別発注なら、当然その人の意見を聞くだろう。その人の車なんだから。
ターゲットとなる利用者をマンマークして、全てのニーズの変遷を追っていくことが必要だ。途中で希望が変わったらそれを満たすよう要求仕様も取り込まないといけない。でないと、売れない。

プロダクトをつくるときは、利用者をマンマークだ。その人の挙動を全て追っていく。対話の中で、その背景も確認しながら、時には、よりよいアイデアを提案していく。車について1番詳しいのは作り手なのだから。
そうやって納めた車は泣いて喜んでもらえること間違いない。長く愛される車になるだろう。

プロダクトマネジメントの要諦は、作るとなったらとことん利用者を具体化して、常に彼らの意見と挙動を追っていくことだ。
サッカーのマンマークと同じく、90分その人が視界から消えることがあってはならない。マンマークしながら作り込むことで、対象顧客の満足度を高いレベルで実現できるプロダクトができる。

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