機能横断型チームは、ゾーンディフェンスである。
チーム一丸となってカバーする、サッカーと同じコンセプトだ。
将棋や碁盤の目のような、厳密な境界線で守備するのではなく、近いメンバーが助け合いながら、エリア全体のバランスを取るのがゾーンディフェンスである。
境界線で守ると、自分の境界線だけに意識がいってしまう。
敵が自分の縄張りに来たら攻撃するが、撃退したら、それ以上は追わない。
自分のチームが攻められているにも関わらず、自分の担当している区画だけ対応するから、境界線だと部分最適に陥ってしまう。
周囲への配慮がなくなる。。
担当制の痛いところだ。
ゾーンでは、クリアな境界線はない。
近い選手が助け合いながら、チーム全体でミッションを完遂する。
エリア全体を、チーム一丸になって、連携しながらカバーする仕組みだ。
ゾーンで守れば全体最適につながる。
全体バランスを考える。
場合によってはゾーンを交代する。機能横断的なチームなら可能である。
これを境界線にしてしまうと、一歩でも出たら、もう知らない。管轄外だ、圏外だ、になってしまう。
そうすると同じゲームをしているのに、チームが分断されてしまう。周りに対して無関心になってしまう。
顧客価値を届けるには、ゲーム全体を俯瞰し、ゾーンで考えることが必要だ。
スターバックスでは「レジ係」と「バリスタ」がいる。
全てのパートナーは、両方の役割ができる。
担当制だとボトルネックが生じるから、どちらもできるように訓練するのだ。
顧客に価値を提供するゾーンレベルで考えると、スターバックスという店(エリア)の全体最適を考えるから、ボトルネックがあれば、解消するために全員が共同する。
皆が、自発的にサイドチェンジして対応するのだ。
自陣でのコーナーキック時。前線の選手も戻ってくるし、キーパー後方のネット際で守る選手もいる。
チームがピンチの時、センターフォワードだから、トップ下だから、という個人の役割を超えて、試合全体の状況を俯瞰し、柔軟、且つ自発的に、チームとして必要な行動を取るのである。
アジャイルチームは、チームで掲げたゴールのために、コレクティブに協働する。
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