ターゲットとしている人物像を具体化する方法に、ペルソナがある。
ペルソナはマーケティングでよく耳にする言葉だが、対象とする顧客の特徴を定義し、その代表的な顧客1人に焦点を当てて、訴求力のあるプロダクトを作り込んでいく方法である。
ペルソナを設定することで、関係者は顧客を具体的にイメージしやすくなる。
顧客像を共有できる。
だから、一貫性のあるプロダクトを構築しやすくなる。
ペルソナで定義する内容には、以下のものがある。
・名前
・年齢
・性別
・住所(エリア)
・住まい(戸建て、低層マンション、高層マンション ※高層マンションなら何階なのか)
・家族構成
・職業
・役職
・年収
・教育レベル
・趣味
・特技
・価値観(判断基準)
・休日の過ごし方
・生い立ち
・ライフスタイル
・コンピューターのリタラシー
・SNSの利用
グローバルに展開するプロダクトなら以下も入ってくるだろう。
・言語
・地理
・気候
・宗教
・人種
・身体的特徴
・識字率
なぜペルソナ設定から始めるかと言うと、同じプロダクトでも、人により反応が異なるからだ。
プロダクトではないが、人の見た目に対して抱く印象も異なる。
目ぱっちりがかわいいと感じる人
切れ長の一重が美しいと感じる人
ペットの好みも様々だ。
- 猫が好きな人
- 犬が好きな人
- 爬虫類が好きな人
- そもそも動物を飼う習慣のない人
食に対する好みも。。
- パンがいい人
- ご飯つぶがいい人
- 麺類がいい人
- ビーガンの人
- ハンバーガーを毎日食べたい人
・
・
様々である。
同じモノを見せても、リアクションは様々である。
品質や性能についても、人により変わる。
0→100㎞加速が5秒フラットの車両があるとする。
加速性能として5.00秒は具体的だし、測定可能だ。
だが、これが速いと思うか遅いと思うかは、ペルソナにより変わる。
顧客によって、3秒以内でないと不満な人もいれば、加速なんて意に介さない人もいる。
時間とコストをムダにしないためには、プロダクトをデザインする際に、次の事を明確にしないといけない。
誰のためのプロダクト?
プロダクトを通して、どのように課題を解決していくのか?
その為に、ペルソナを具体的に定義する。
ペルソナを定義したら、プロダクトのデザインに入っていくわけだが、重要なポイントが2つある。
・ 技術的実現性
・ 販売実現性
技術的実現性とはエンジニアリングの観点から現実的なコストで実装できるかである。売れるものをデザインできても、それをカタチにするのに法外な金と時間がかかるのでは意味がない。ビジネスケースとして成り立たないだろう。
もう一つの販売実現性とは、プロダクトが完成した後にかかるキャンペーン等のプロモーション活動、販売促進のフィジビリティーだ。ここも法外な金と時間がかかるようだと、ビジネスチャンスを逃してしまうことになる。
技術面、販売面のフィジビリティーからプロダクトデザインをチューニングして試作品を作る。
試作品ができたら、ペルソナの対象となる利用者グループにチェックしてもらいフィードバックを獲得する。
プロダクトマネジメントの要諦は、まずペルソナの設定である。
ペルソナを定義したら、プロダクトのデザインやスペックを決める。
その後、技術面と販売面のフィジビリティーチェックを踏まえて調整し、最終的なプロダクトをデザインする。
試作品ができたら、フィードバック・軌道修正のループを回しながらプロダクトを製品化していく。
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