「プッシュ型」「プル型」品質を安定化させる2つのポイントとは

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ゴールデンウィークはお祭りシーズンだ。

日本各地で様々なお祭りが催される。

私も実家と地元の2つのお祭りに参加してきた。普段会えない人と語りあいながら、青空の下で飲む酒は格別だ。

お祭りだから、酒と一緒に焼き鳥、串焼き、焼きそば、たこ焼き、お好み焼きもいただいた。お祭りの雰囲気の中、楽しくいただけるのだが、食べ物については、正直、味はいまひとつだ。屋台のお兄ちゃん、お姉ちゃんの料理を見る限り、結構いい加減である。お祭りの雰囲気で堅いことを言うのは野暮だが、食に対するこだわりは。。どの屋台よりもうまいタコ焼きを作るという熱意とか研究熱心な姿はあまりなかった。

なぜお祭りの屋台フードがいけてないのか、呑みながら観察してみた。

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もちろん料理してくれる人達の技術的な側面もあるだろうが、それは一旦置いておく。

まず、タコ焼きや焼きそばを作っている鉄板プレートを見る限り、できたてではない。できたものは鉄板の端に積み上げている。又は、既に包装して前に置かれている。

客が通る度に、焼いては置き、去っては手を休めて、また人が来たら焼いてという動作を繰り返している。2度焼き3度焼きは当たり前だ。あまりにもウェルダンのクリスピーな灰(焦げた肉やキャベツ)は捨てている模様だ。

目の前のお好み焼きを食べてみても、案の定ぱさぱさしているし、冷めているし、味もいけてない。ソースとマヨネーズを大量に付けないと飲み込めない。。

屋台を観察して気がついたのは、いつ売れるかわからないから、焼いたり置いたりしながら、焦げないようにペース配分しているお店が大半だ。客の注文がいつ来るかわからないから、ある程度作っておかないといけないが、作りすぎたら冷え切ってしまうし、前に並べすぎるのもイメージが悪いのでよろしくない。だから、端に置いておいたり、2~3人分だけ準備しておいたりする。

買うときは、たこ焼きにせよ、焼きそばにせよ、ベストの状態ではないから、当然味はよろしくない。仕組み自体イマイチなのである。

街の中華料理店とか、フードコートの専門店では、注文を受けてから作り始める。
焼きそばを食べたいお客さんが目の前にいるから、でき次第手渡せるし、最高の状態で提供できる。2度焼き3度焼きのペース配分も不要だ。
注文駆動型ということで、いわゆるプル型のシステムである。

プル型なら、客を待つ時間のムダもないから、作る過程でのムラやムリも発生しない。
プル型なら、プロセスが安定するから、品質も安定する。ベストの状態で出せるから品質も高くなる。

一点、プル型の課題は、注文を受けてから届けるまでの時間が長くなりがちなことである。
客を待たせると途中離脱率も高くなるから、リードタイムは短い方がいい

お祭りでは皆が食べ歩き状態だから、屋台の前で待っていられるのはせいぜい3分が限界だろう。注文を受けてからゼロベースで作っていると完成品に持って行くまでに10分~15分かかってしまう。旨いものでも、15分待てる客は、まずいない。

銀座にある「すきやばし次郎」の鮨屋をご存じだろうか。

ミシュランの三つ星を、毎年継続して獲得しているお店だ。

オーナーシェフである小野二郎氏は、「準備が95パーセント」と言っておられる。
注文を受けたらすぐに鮨を出せるよう、仕込み作業を開店前に済ませておく。
ネタは4~5時間かけて仕込むが、カウンターでは鮨を握るだけ(プレゼンテーションだけ)である。

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すきやばし次郎の鮨屋と、お祭りのタコ焼き屋を比較するのは滑稽かもしれない。
だが、プル型システムでも、あらかじめ仕込み作業をしておくことで、注文を受けてから届けるまでの時間を全体の5%に短縮できる。

たこ焼きは火を通さないといけないから、鮨を握るよりも時間はかかるだろうが、事前の準備を徹底することで、注文後の所要時間を短くできるのではないか。そして、注文を受けてから完成させるので当然味(品質)もよくなる。

たこ焼きを作るひとつひとつの工程をチェックし、事前の仕込み作業ができないか吟味してもいいだろう。プル型でも、事前の仕込み率を高めることで注文からデリバリまでの時間を短縮できる。

品質が高く、旨い屋台なら、多少待たされても行列ができる。行列ができれば、客がいる前提でプル型システムを連続回転できるから効率もいいし、品質も安定する。

プロダクトマネジメントの要諦はプル型システムである。

プル型の流れにすることで、介在する作業の「ムラ・ムリ・ムダ」をなくせる。結果、品質は安定するし、向上する。

そして、プル型でも事前の仕込み領域を増やすことで、注文後の所要時間を短縮し、高品質なプロダクトを速やかに届けることができる。

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