ユーザーストーリーは、次のフォーマットで表現される。
- 誰が
- 何をしたい
- なぜなら
Who / What / Why の’3W’フォーマットである。
ユーザーストーリーは、プロダクトオーナーや利害関係者に、「使い手」の立場で書いてもらう。
なぜか。
プロダクトには、必ず、2つの立場がある。
- 使い手
- 作り手
そして、この2つの立場は、プロダクトを見る視点が異なる。
使い手: 使いやすいこと
作り手: 作りやすいこと
例を挙げよう。
ピザやケーキを想像して欲しい。ピザならフルサイズピザ、ケーキならお祝い用のホールケーキだ。
作って、食べるから、作り方から見ていこう。
ピザを作る順序は、下からだ。
- 生地をこねる
- 生地を伸ばして粉をまぶす
- トッピングを盛る
- オーブンに入れて15分焼く
- できあがり
下から、順番に一段一段作っていく。オリーブオイル、トマトソース、チーズも、順番に重ねて塗っていく。
では、食べる方はどうか。
上から、切って食べる。トッピングを剥がして、クラストから食べる人はいないだろう。
ショートケーキも同じである。
作る順序は、下から積み上げていく。
- スポンジ土台
- ホイップクリーム
- カット苺を載せる
- スポンジを載せて、苺ホイップ層を挟む
- ホイップクリームでコーティング
- 一番上に、立派な苺とホイップクリームでトッピング
- できあがり
食べ方は、上から、垂直に切って食べる。
「作り手」と「使い手」は視点が違うのである。
だから、ユーザーストーリーである。
ユーザー視点で、どうプロダクトを使うのかインプットしてもらう。
Who / What / Whyの’3W’の中で、一番重要なのは Whyである。
Whyの中に、顧客がどんなシーンで、どうやって製品・サービスを使うのか、どうやってケーキを食べるのか、説明がある。
お誕生日会だから、チョコレートのメッセージプレートを付けて欲しい。プレートは、こんなメッセージにして欲しい。チョコの両隣に苺があって、メッセージを載せたまま、ケーキを上からカットして、皿に盛りつける。
これらの情報がないと、作り手は、スポンジの間に全ての苺をホイップクリームと一緒に埋め込んでしまうかもしれない。。作りやすく、安定感があるという理由で。。
作りやすいケーキが、おいしいケーキになるとは限らない。
正しいプロダクトを作るには、「作り手は」常に「使い手」のインプットが必要になる。そして使い手の意図を引き出すツールがユーザーストーリーである。
ユーザーストーリーはアジャイルだけでなく、滝モデルにも使える。
ユーザーストーリーを基準にモノ作りに取りかかることで、本質的な顧客価値が創造できる。
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