プロダクトの成果を最大化する。これは、プロダクトオーナー、プロダクトマネージャーのミッションである。
今回は、プロダクトの投資対効果を最大化するインプット、アウトプット、そしてアウトカムの関係について考えてみよう。
まず言葉の定義から。
- インプット: 入力、外から中に取り込むこと、投入(量)
- アウトプット: 出力、生産高、産出(量)、作品数
- アウトカム: 成果、結果、影響、インパクト
ポイントは3つだ。
- 「アウトプット=成果」ではないことを理解する
- 成果を出すにはインプットが肝であることを理解する
- アウトプットから成果への伝達リンクを太くする
では、順番に見ていこう。
「アウトプット=成果」ではない
アウトプットが多ければ、成果も増えるかというと、そうとは限らない。プロダクト開発でいうと、機能をたくさん作ることになるが、だから売り上げが増すかというと、そこに正比例の関係はない。
例えば、多機能の電化製品。テレビ、ステレオ、冷蔵庫には非常に多くの機能がある。
私も週末にテレビを見るが、使う機能は「チャンネル」「音量」「再生」だけだ。
洗濯機に至っては、洗剤と柔軟剤を入れて「自動ボタン」を押すだけである。数時間後にはきれいないい匂いのする完成品(衣類)ができあがっている。「ジェット」「しっかり」「予約」「水位」「コース」等、様々なボタンがあるが使ったことがない。
海や山に行くときに重宝する”G-SHOCK”の腕時計。
耐衝撃構造だし、20気圧防水が付いているから安心である。私の愛用しているモデルはソーラー電波機能付きなので、電池も時間調整も不要だ。他にも機能はてんこ盛りで、世界200ヵ国以上の都市で使える「ワールドタイム」「アラーム・タイマー」「ブルートゥース」まで搭載しているようだ。。
今の世の中、ソフトウェアであれ、ハードウェアであれ、使わない機能で溢れている。「多機能だから売れる」方程式は成り立たないにも関わらず。
最終的な「成果」視点で見ると、機能モリモリは単なるムダである。
「アジャイル宣言の背後にある原則」でも、次のように説いている。
シンプルさ(ムダなく作れる量を最大限にすること)が本質です
では、2つめのポイントを見てみよう。
インプットが肝である
アウトプット量と成果量にリンクはないが、アウトプットの「質」と成果にはリンクがある。
成果には、呼び水となる良質なアウトプットが必要だ。
数打ちゃ当たる「マシンガン方式」ではなく、正確無比な「スナイパー方式」である。
そして良質なアウトプットに必要なのは、良質なインプット、すなわち本質的な利用者ニーズを詰め込んだプロダクトの要求(ユーザーストーリーやプロダクトバックログ項目)である。
上流で、利用者の受入条件(基準)を掴み、安全なソリューションで、高品質で作り込めば、使用者は満足度の高いアウトプットが得られる。
最終的な「顧客の使用シーン」をイメージし、インプット精度を高め、正しいバックログを供給すればするほど、成果に繋がるアウトプットになる。
そして3つめのポイントである。
アウトプットから成果への伝達リンクを増強する
正しい機能・サービスなら、望ましい成果を獲得できる確率がぐーんと高まる。だが、それだけでは不十分である。
正しい機能・サービスが正しく使われた時に、成果は最大化する。
だから、アウトプットを確実に成果に結びつける為には、その機能やサービスが対象利用者に伝わるようマーケティングし、安全で正しい使い方を説明し、疑問点があればそれを解消しなくてはならない。「商品お披露目会」や「製品説明会」、実際に商品を手にとってもらう「商品おさわり会」「試食会」等、確実に成果に繋げるフォロー体制の構築が不可欠だ。
アウトプットを成果に換える3つのポイント:
- 「アウトプット=成果」ではないことを理解する
- 成果を出すにはインプットが肝であることを理解する
- アウトプットから成果への伝達リンクを太くする
かつてはアウトプット至上主義であった。だから多くの機能を届けるために、多くのリソースを投入して大量生産した。
今は、成果至上主義である。成果量はアウトプット量とリニアにスケールしない。
成果はアウトプットの「質」に依存する。
アウトプットの「質」を高めるには、その源泉であるインプットの「質」を上げなくてはならない。インプットの「質」を上げるには、成果を見据え、本質的に必要な「モノ」を見極め、「どう使うか」までイメージを膨らませることが必要だ。ライフルのスコープを通して、アウトプットの先にある成果まで一気通貫で見えないといけない。
成果は、あなたが選ぶユーザーストーリーにかかっている。
成果を後押しするストーリーを「スナイパー方式」で供給しよう。
違いを生むのはインプットのクオリティ、そして成果を確かなものにするアウトプット後の充実したフォロー体制である。
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