ラージスケールスクラム (LeSS)導入は組織変革を伴う

LeSSフレームワークに、下記の記載があります。

Agile development with Scrum requires a deep organizational change to become agile. Therefore, neither Scrum nor LeSS should be considered as merely a practice. Rather, they form an organizational design framework.

スクラムのアジャイル開発には組織の変更を伴います。
スクラムもLeSSも単なるプラクティスではありません。組織のデザイン刷新を要求するフレームワークです。

ひとつ例をあげましょう。

従来型のプロジェクトでは「ビジネスアナリスト」という役割があります。顧客のニーズを要求仕様としてまとめ「デザイナー」や「設計者」に渡します。その後、設計書は「オフショアチーム」に渡され開発され、テストされます。その後、発注者に受け渡され、先の「ビジネスアナリスト」や「顧客」が受入テストを行います。

スクラムでは、「使う人」と「作る人」は一緒に協働します。毎日同じ場所で作業するわけです。

従来の作業フロー:

顧客 → ビジネスアナリスト → 設計者 → 開発者 → テスター → ビジネスアナリスト → 顧客

スクラムやLeSSの作業フロー

使う人 ←→ 作る人

日々インタラクティブに協業します。製品やサービスが「欲しい人」と「作れる人」が直接会話し、やりとりする方が正確で速いです。

従来型組織の役割や調整機能は、最終的に「使い手」または「作り手」に集約されます。

組織はフラットに、そしてシンプルになります。

スクラムであれLeSSであれ、アジャイル開発には組織の変更が不可欠です。