アジャイルでたびたび耳にする「プランニングオニオン」をご存じだろうか。
オニオンの名前の通りタマネギになぞらえおり、6種類のプランニングがあると説く。図を見てもらう方がイメージしやすいと思うので、こちらをご覧いただきたい。
上位のプランニングから順番に以下の並びとなる。
- 戦略
- ポートフォリオ
- プロダクト
- リリース
- 反復
- 日次
最上位では、経営層が戦略を練り、最適なプロダクトのポートフォリオミックスを作る。戦略を実装するためにどんなプロダクトが必要なのか検討し、組織レベルで各プロダクトをどのように噛み合わせるかプランニングする。経営戦略を踏まえて各プロダクトに予算を割り振る。
プロダクトプランニングはプロダクトオーナーが行う。プロダクトのどのような機能やサービスをどのタイミングで市場に投入するか、経営層と調整しながら最終的にPOが決定する。通常半年以上~1年単位のプランニングである。
リリースプランニングは直近のリリースまでのプランニングである。大抵数ヶ月単位で、チームと調整しながらPOが決定する。リリースは、機能やサービスを顧客に届けるタイミングである。
反復はスプリントやイテレーション単位で、1~4週間のプランニングだ。スクラムならスプリントプランニングのことを指す。これはトピック1でPOが決めたバックログアイテムの優先順に従い、開発チームがプランニングする。
日次は、デイリースクラムのことだ。24時間サイクルで状況を検査し、自分たちの進め方を最適化する開発チームのプランニングのことである。
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一般的に、チームが意識するのはリリース以降のプランニングである。
- リリースプランニング
- スプリントプランニング
- デイリープランニング
経営戦略上の変更があれば、それらはプロダクトバックログのエピックの変更として反映される(場合によってはプロダクトそのものの変更もあるかもしれないが。。)。経営戦略の変更に伴い、POはプロダクトロードマップを再計画する。そして、それらの変更は下位のリリースプランニングにも反映されることになる。
また、日次のプランニングを通してチームは再計画を行うが、予想よりも遅れたり、進んでいる場合は上位のスプリントプランにも影響を及ぼす。予想以上のインクリメントができたり、予想の半分しかインクリメントができないと、以降のスプリントプランニングに影響がでる。それらは更に上位のリリースプランニングにも影響を与える。
プランニングオニオンを構成する6つのプランは密接な関係にあり、上位と下位から相互に影響を与えるのである。
アジャイルではプランニングを重要視する。できたプランよりも、プロセスとしてのプランニングそのものに価値を置く。プランニングすることは、リアルタイムで状況を検査し、軌道修正し、次のアクションを最適化することに他ならない。不透明で変化の激しい世の中において、頻繁にプランニングを繰り返すことは不可欠な活動なのである。
6つのプランは、周期の短いプランニング毎に最低1回見直す。
- デイリースクラム終了時に、スプリントプランへの影響をチェックする
- スプリント終了次に、リリースプランへの影響をチェックする
- リリース終了次に、プロダクトロードマップへの影響をチェックする
プランニングオニオンを使って、全階層のプランを最適化していこう。全階層において、常に最新のプランであるよう、継続的にプランニングしていこう。
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