スクラムマスターの複眼的思考と支援ポイントの遷移

スクラムおよびラージスケールスクラムにおける代名詞的な存在であるスクラムマスター。
だが、スクラムマスターは新しいロールだ。従来のプロジェクトコミュニティーにおいて(PMBOKでもプリンスでも)、スクラムマスターが登場したのは比較的最近のことだ。
従来型の組織では、スクラムマスターという役職はなかった。
そこで、多くの企業では、プロジェクトマネージャーやビジネスアナリストをスクラムマスターにコンバートしようとした。だが、ロールが変わっただけでやっていることは同じという不思議な光景を目にするようになった。。
代名詞的なロールでありながら、最も誤解されているのもスクラムマスターである。
スクラムマスターは、既存のどの役割とも異なる上に、従来型のマインドセットのままでは、上手くバリューを出せないロールなのだ。
スクラムマスターは、プロジェクトの管理者でも、開発チームのマネージャーでもない。
スクラムマスターは、スクラムチームやLeSSチームを支援し奉仕するロールなのだ。アジャイルの原理原則を理解し、スクラムやLeSSのフレームワークを通して正しい価値観を示し、チームによりよい働き方とスプリントの過ごし方をコーチングする先生である。
スクラムマスターは複眼的なメタ思考をもち、以下すべての領域に対して継続的に支援していく。
  • チーム
  • プロダクトオーナー
  • 組織
  • 開発プラクティス
スクラムマスターは、チーム・プロダクトオーナーの支援から始め、徐々に組織・開発プラクティスの支援に軸足を移していく。

最初に支援を集中させるのはチームだが、チームだけを支援する訳ではない。下の図は、時間経過に伴い、スクラムマスターの支援エリアが遷移していく様子を表わしている(LeSSサイトより抜粋)。

Scrum Master focus over time

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