新年あけましておめでとうございます。2019年になりました。
私がよく受ける質問のひとつに「ウォーターフォールからアジャイルに変更する際、どう移行させればよいか」というものがあります。
方法はいくつもあるでしょうが、私はアジャイルソフトウェア開発宣言を理解し、その価値に則って行動するが事がアジャイルな働き方に繋がると考えています。
コアの部分だけを抜粋します(以下赤字)。
プロセスやツールよりも個人と対話を、
包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを、
契約交渉よりも顧客との協調を、
計画に従うことよりも変化への対応を、
価値とする。
アジャイルでは右半分により価値をおきます(アジャイルであっても左半分がなくてよい訳ではありません)。
左右見比べてみるとよくわかるのですが、従来型であるウォーターフォールでは左半分により価値をおいていると言えます。従って、左側から右側に移行するほど、よりアジャイルな働き方になります。
プロセスやツールよりも個人と対話を、
ソフトウェアを使うのは人です。そして、ソフトウェアを作るのも人です。アジャイルでは使い手と作り手が会話を通してものづくりすることを重視しています。共通のプロセスやツールを使うことも大切ですが、関わる人と人との相互作用をより重要視しています。
包括的なドキュメントよりも動くソフトウェアを、
顧客にとって価値があるのは動くソフトウェアです。包括的なドキュメントは顧客価値を創造しません。アジャイルでは作り手の自己満足よりも、使い手にとっての価値と満足を重視します。
契約交渉よりも顧客との協調を、
アジャイルでは完全無欠な契約で顧客を縛るのではなく、顧客を支援し、顧客が助かるソリューションを提供することを重視します。
計画に従うことよりも変化への対応を、
アジャイルでは計画を死守することより、顧客ニーズは変化する前提で必要な変更を柔軟に取り入れ、顧客に本物の価値を提供することを重視します。
大抵の組織において、現行のプロジェクトガバナンスやツールはウォーターフォールな進め方に最適化されています。その為、アジャイルに切り替えるには、今ある仕組みを解消する(壊す)ことから始めなくてはなりません(現行ガバナンスはアジャイルが加速する上で、足枷になっていることが多いです)。
現在のプロセスや手順がアジャイルの価値観にフィットしているのか、ひとつひとつ吟味しながら関係者を巻き込んで変えていく必要があります。
スクラムやXPのプラクティスを取り入れたから即アジャイルに変身するわけではありません。
アジャイルの正しい価値観を理解し、日々の作業と照らし合わせ、弛まなく改善していく地道な作業が欠かせません。
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