わたしがプロダクトの制作で大切にしていること

新しい年に入ったので、私がプロダクトを作る上で大切にしていることについて書いてみたいと思います。アジャイルやウォーターフォールの話ではありませんので、ご興味のない方はスキップしてください。

私が大切にしていることは2つあります。

  • どう作れば成果に繋がるか
  • どうすればもっと楽しめるか

プロダクト制作の目的は、よいプロダクトを作り、世の中の人々に届けることです。プロジェクトやプロダクトデリバリーの最終的なアウトプットは成果物です。そして、この成果物を使ってもらうことで、利用者に価値を提供します。

プロダクトはお客さまに使ってもらって、喜んでもらってこそ意味があります。私たちが直接関与できるのはプロダクト制作までですが、本当のゴールはできた製品やサービスを使ってもらい、喜んでもらうこと、満足してもらうことです。

そして、成果物の先にある成果を届けるための1つのアプローチがアジャイルだと思っています。例えば、スクラムでは状況の透明性を高めて、定期的に立ち止まり、制作中のプロダクトを検査します。今あるプロダクトが顧客の要求を満たしているのか、このまま作っていってお客さまが喜んでくれるのかをスプリント単位でシュミレートし、軌道修正を重ねていきます。

成果物ではなく成果をだす為には、利用者であるお客さまの要求を常に念頭に置いておかなくてはなりません。お客さまの要求の確かさにより、アジャイル、短期のウォーターフォール、またはハイブリッド型で作り方を最適化します。コマーシャルではありませんが、全てはお客さまの満足のためなのです。

どうやって作ることがお客さまの満足に繋がるのか、最終的な成果に繋がるのか、継続的にアプローチも点検していかなくてはいけません。

2点目の「どうしたらもっと楽しめるか」に話を移しましょう。

私たちは完成したプロダクトでしか、製品の良さをお客さまに伝えられません。製品がよければお客さまに喜んでもらえますし、まずければ満足してもらえません。製品ができるまでの過程について、一般的にお客さまは興味を示しません。ですから、製品完成までのプロセスはそれほど重要でないと思われるかもしれません。しかし、私はプロセスこそが違いを生むと考えています。なぜなら、お客さまの顔を思い浮かべず、ただマニュアル通りに作られた製品がお客さまの心を掴めるとは到底思えないからです。

お客さまの喜ぶ製品に仕上げるには、顧客の喜ぶ顔を思い浮かべながら、顧客の身になって作ることが大切です。それは、モノ(プロダクト)から使う人に焦点を移すことです。

人は自分の持つクリエイティビティーを活かせる時、モチベーションが上がります。手順書通りの作業でモチベーションあげあげの人はいません。

製品の製作に関わる人たちが、自由な裁量を与えられ、自分たちの持つ創造性を発揮し、自分たちが選ぶ楽しい働き方ができるとき、そのうれしい気持ちが、制作中のプロダクトに反映されます。たとえば、スクラムでは定期的に「ふりかえり」を実施します。「ふりかえり」を通してよりよい働き方を追求します。どうやったら、製品開発をもっと楽しめるかを考えます。こうしてチームはより楽しめる働き方を模索し、扱うプロダクトと共に成長していきます。

こうしたうれしい気持ちに溢れたチームが、プロダクトというカタチになり、顧客のうれしいを創ります。

やや主観的な話になってしまいましたが、作る人たちが成果である顧客価値にベクトルを合わせ、最適なアプローチを選び、作る過程も最大限楽しむ、そんなチームが次のイノベーティブなプロダクトを創造するのだと思っています。