PRINCE2 Agile 「段階によるマネジメント」原則が必要な理由

Prince2はプロジェクトマネジメント方法論ですが、原則の1つに「段階によるマネジメント」があります。

プリンスの7原則について詳しく知りたい方はこちら

「段階によるマネジメント」とは、プロジェクトライフサイクルをいくつかの段階(英語ではステージ)に分け、段階単位でプロジェクトパフォーマンスを評価し、次の段階の計画を立て、実装に進めていくことをいいます。

米国プロジェクトマネジメント協会PMBOKで「段階的詳細化」というコンセプトがありますが、それに似ています。長いプロジェクトでは、プロジェクト開始時に全ての計画を作りきることは不可能ですから、第一段階のプランニングを先行して行い、第二段階以降は段階的に詳細化していきます。プリンスでは、段階のことを「マネジメント段階」と呼びます。プロジェクトのライフサイクルを複数の段階に分けて、段階毎に計画・実装・パフォーマンス評価を繰り返します。

Prince2 Agileでは、一般的に実装の最小単位は1~4週間のスプリントです。そして、各スプリントでできた増分を纏めてリリースします。そして、段階はリリースの更に上の概念であり、複数のリリースのコンテナの役割を果たします。

上位の概念から順番に

  • マネジメント段階(ステージ)
  • リリース
  • スプリント(イテレーション)

一般的に下の図のようなイメージです。

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(Source: Prince2 Agile wiki)

製品・サービスによってはスプリント毎にリリースしたり、スプリント内で頻繁にリリースすることもありますが、通常は上図の構成になります。

Prince2では、「マネジメント段階」をチェックポイントとして扱います。段階単位でプロジェクトのパフォーマンスを評価して、継続するか中止するか決定します。そして予算の承認も「マネジメント段階」で行います。

マネジメント段階をどの地点で設けるかは、プロジェクト委員会が決定します。3月や6ヶ月の時間軸重視で切ることもあれば、特定のリスクが顕在化しそうな時期、実装テーマの潮の変わり目で切るケースもあります。

リリースは顧客にとって最適なタイミングで設定します。そして、マネジメント段階はマネジメントにとって最適なタイミングで設けます。マネジメント段階は反復とリリースの終了時にかぶせます。一連の作業が完了した時の方が仕掛り状態より各種判断がしやすいためです。その時のプロジェクトの断面で、今回のマネジメント段階のパフォーマンスを検査し、以降のプロジェクトについて検討し、継続の可否を判断します。

リリースに加えてマネジメント視点の「マネジメント段階」、導入してみてはいかがでしょうか。

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