「クネヴィンフレームワーク」ってどういうこと? 「いま」を見つけるフレームワーク

クネヴィンフレームワーク(Cynefin Framework)は、元IBMのデービッドスノーデン氏が考案した問題解決のフレームワークです。

「クネフィン」と書きますが、「クネヴィン」と呼びます。ヒアリングは外国人の名前の「ケヴィン」に似ています。

クネヴィンフレームワークは、問題解決のフレームワークで、私たちが置かれた現在の状況を把握し、最適な打ち手を考える際に使います。

Prince2 Agileでも紹介されているフレームワークで、案件に取りかかる際にプロジェクトが置かれている状況を特定する際に使います。

クネヴィンフレームワークは4象限で表わします。

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右下から、反時計回りに、以下の並びです。簡単な状況から徐々に複雑な状況を表わしています。

  1. シンプル
  2. 込み入っている
  3. 複雑
  4. 混沌

そして、真ん中に「混乱」があります。

中央の「混乱」は、私たちが置かれた状況がまだわからない状態です。ここから、4つのドメインのいずれかに移動します。

個々のドメインの意味は以下の通り:

  1. シンプル: 原因と結果の因果関係が明白な状態。パターンや法則が確立されており、置かれた状況でどのような打ち手が最適か判断できる。論理的に説明されたベストプラクティスが存在する
  2. 込み入っている: 原因と結果の因果関係が込み入っている。問題解決に繋がるパターンや法則が複数ある。唯一のベストプラクティスではなく、いくつかのグッドプラクティスが存在する。エキスパートのアドバイスや支援を得て、課題の解決に繋がる洞察を得られる状況
  3. 複雑: 原因と結果の因果関係が見えない。後でふりかえると気づきが得られる状況。非常に複雑な為、その場では解明できない。多くのエキスパートを集めて意見をヒアリングしたり、様々な情報を収集したりして、あらゆる考え方を検討してから少しずつ行動に移す状況。行動によるフィードバックを拾いながら、置かれた状況の解明と理解を深めていく
  4. 混沌: 原因と結果の因果関係が全く見えない。誰も経験したことのないドメインであり、既存の考え方が意味を成さない。エキスパートが存在せず、彼らの意見も役に立たない状況。探索的行動を通して、状況の反応を観察する。PDCAを回しながら仮説と検証を繰り返し、法則やパターンを見いだしていく状況。思考しても埒があかないので行動あるのみ

具体例を挙げて考えてみましょう。

  1. シンプル: 隣人から夕食に誘われた。隣人は文化や言語はもとより、似た価値観を共有しているはずなので、どのようにふるまえばよいか具体的にイメージできる。隣人の好きなお酒や料理を調達して持っていったり、どうすれば喜んでもらえるか、楽しめるかがわかる。
  2. 込み入っている: 街の著名人、有名人にお呼ばれして食事にいくケース。詳しい人にどのような格好で行くのがよいか。どのような品物を持って伺うべきか等、経験者やエキスパートに聞いて確認する。訪問時間も時間ぴったりなのか、やや早め、遅めがいいのかアドバイスをもらう
  3. 複雑: アマゾンの奥地とか砂漠に住む部族と食事をとるケース。エキスパートと言われる人がいない、または極端に少なく、部族についての情報もほとんどないケース。他の部族や近隣のエリアの部族の生活習慣から推測したり、関連のありそうな情報を集める。最終的には、彼らとやりとりをしながら、反応を観察し、様子を見ながら自分たちのふるまいをコンテキストにあわせていく
  4. 混沌: 他の惑星に住む生命体との食事。参考になる文献や専門家が皆無のため。集められる情報はない。状況を観察し、行動していくしかない。テーブルに用意されたモノが地球人にとって食べられるのがどうかも定かではないので、色を確認したり、匂いをかいだり、まず触ってみたりして様子を伺う。状況全般について、行動しながら反応を観察し、想定と比較し、法則やパターンを見いだしていく

4の宇宙人との食事はやや突拍子もない例だが、既存の概念が全く通用しないケースで、全てが新しい状況だ。このようなケースでは、専門家のアドバイスも全く意味を持たないので、その場にいる本人がPDCAを回して解明していくしかない。目の前の緑色の物体を一口で丸呑みする人間はいないだろう。食べられそうだと判断しても、少量口に含み、口の中に広がる臭いや、食感、唾液と混ざったときの物体の反応、味覚等、総合的に観察してから飲み込むはずだ(またはその反対であることも)。

クネヴィンフレームワークを使う事で、まず私たちが置かれた状況を把握し、最適な打ち手を検討する。
その道の専門家にアドバイスを求めるのか、専門家を集めて様々な情報を集めて状況の理解を図るのか、行動あるのみでPDCAを回すのか、状況により打ち手は変わる。

新しい案件、新しい要求、新しいアイデア。あらゆる新しいことを始める際、クネヴィンフレームワークを使って判断しよう。