チームで協働すると成果量が安定する理由

スクラムの開発チームは6名±3名だ。これは、コミュニケーションコストを上げずに相互作用を最大化できる人数だから。

少人数でありながらも1~2名でない理由を考えてみよう。

  • 個性
  • バイオリズム
  • 多様性

< 個性 >
人間には生まれ持った特徴がある。スポーツでも攻撃が好きな選手もいれば、守備的な選手もいる。打撃がうまい選手、投球がうまい選手。ラグビーでも、体格に恵まれたフォワードの選手もいれば俊敏性に長けた選手もいる。もちろん練習で力の底上げはできるが、一番効率のいいのは個性を磨き上げることだ。個性駆動が一番自然に力が出せる。自分のクオリティを示しやすい。

開発チームも同じである。プログラミングが得意な人もいれば、ユーザーの要求を整理して仕様に落とし込むのが得意な人もいる。テストが得意な人、テクニカルライティングが得意な人、みんなそれぞれ個性がある。

<バイオリズム>
同じ人間でも、状態いいとき、いまひとつエンジンがかからないときがある。実際に病気や怪我をして、パフォーマンスが出し切れないときもあるだろう。人間の生理的な波をある程度コントロールする心がけは必要だが、ロボットのように全くムラなくという訳にはいかない。

いろんなタイプの人間を集めて、それぞれの個性や特徴を活かしながら、いいとき悪いときのバラツキをチームでカバーしながら作業することで、全体の成果量は安定する。

<多様性>
もう1つ重要なポイントは、多様性だ。多様性は性別、年齢、国籍や文化において違いが多いほどイノベーションが発揮されやすいという考え方だ。性格や特徴が似ているメンバーを集めると、ハレーションは少なくて済むし、フィットしやすいメリットはあるが、不安定な状況にはめっぼう弱い。価値観が似ていたりして、同じ考えに陥りやすいし、バイオリズムが似ていて全員同時に絶不調に陥りやすい。こんな時に多様性の高いチームなら、誰かは好調を維持してカバーリングできたり、面白いアイデアを持ってきて行き詰まった状況を打開できたりする。

内的には個性を活かしてチームを助け、生身の人間がもつバイオリズムをチームで補完しあう。そして、外的な変化には多様性で対処する。

1人で作業するといい時とわるい時で結果にバラツキがでる。チームなら、馬力を安定化できるから、結果も安定しやすい。だから、スクラムだけでなく、複雑な状況の中で継続的に成果をあげていかなくてはいけない状況では、少人数のチームで仕事を仕上げていくのがいい。

個性を尊重し、バイオリズムを受け入れ、カバーし合い、多様性を歓迎する、そんな少人数チームが、チームを落ち着かせ、周りのステークホルダーに安心感を与え、安定的な成果を生み出す。