2019年も後1ヶ月半少々です。この時期は、営業であれば最後の追い込み、事務方においても年度末の〆作業等、忙しい時期です。会社の業績ばかりでなく、個人レベルでも今年の目標をクリアしたか、自己評価や上司との面談もあるかもしれません。
まだ45日ほど残っていますが、今年はどんな年でしたか?年始に作った目標を達成できそうでしょうか?
どんな仕事であれ、一番幸せなのは、私たちがしたいことを仕事にして、お客様に喜んでもらえ、会社の上司・同僚に認めてもらえ、よい収入を得ることではないでしょうか。もちろんいろいろな価値観がありますので、お客さんがよろこんでくれさえすればいいという考えもあるでしょうし、会社の仲間と一緒に仕事できることが一番の幸せという人もいるでしょう。
ポイントは、一番が顧客か、会社の上司や同僚か、収入か、ということではなく、私たちが個人レベルで持っている価値観を基準に「どれだけ満足できるか」によります。言い換えれば、私たちが幸せがどうかは、仕事の成果だけでなく、私たちが個人レベルでの生活・人生において求めるゴールを達成したのかどうか、ということです。
私たちの生活にはいろいろな要素が含まれます。仕事、家庭、交友関係、趣味、スポーツ、コミュニティ活動、健康、お金等々・・。そんな中、ひとりの人間として何をどうしたいのか?どんな生活をしたいのか?どこで暮らしたいのか?どんな人を喜ばせたいのか?どんなことを達成したいのか?どんなことをして成長し、成功したいのか?それがあって、始めて何を仕事にするのかが見えてきます。そして、今の仕事においても何にフォーカスすべきかが見えてきます。スタート地点は仕事ではなく個人です。私たちが個人として、何を実現したいのかが一番重要です。仕事で何を実現したかを考える前に、個人レベルで何を実現したいのかを考えなくてはなりません。
個人レベルでしたいことが明確化できたら、次になにが提供できるかを考えてください。いますぐ提供できるものもあれば、磨きをかけないといけないものもあります。やりたいこと駆動ですので、磨きをかけるにしても主体的にできるはずです。
こうして自分が提供できること(サービス)を太くしていきます。
次に、世間のニーズを見てください。自分の興味のある分野、あるいはその周辺で、どんなニーズがあるかを探してください。例えば、自動車が好きなら、ドライバーが自動車に求めるサービスを考えます。どんなサービスが自動車の価値を高めるのか、なにがあれば、ドライバーや同乗者の移動体験をより豊かで快適にできるのかを考えます。
万物は、「需要」と「供給」の上に成り立っています。
自分が提供できるものは「供給」です。そして世の中のニーズは「需要」です。この両方をバランスよく満たすことがポイントになります。供給できてもまったく需要がなければ、誰も喜ばせることができません。そして、収入にも繋がりません。一方、需要があっても、自分が供給できなければ指をくわえて見ているしかありません。
需要と供給マトリクスは、企業レベルだけの話しではありません。個人レベルでも、なにができて、サービスとして供給できるのか、そしてどのような需要を満たすことができるのかを明確化することが大切です。
そして、この需要と供給のマトリクスは固定ではありません。私たち個人の興味が変わればどんどん広がっていきますし、仮に同じことを続けたとしても、経験を積むことでどんどん深まっていきます。結果、どちらにしてもサービス供給のパイプラインは太くなるのです。
そして、世の中の需要も移り変わっていきます。たとえば、最近よく耳にするキーワードに「デジタルトランスフォーメーション」があります。DXといっても、広範です。オンプレからクラウド化といった技術的な話しから、CX/UXや人間中心な顧客体験といった上流の話まで様々です。ご自身の強みがインフラなのか、ビジネスアナリシスなのか、プログラミングなのかプロジェクトマネジメントなのか、「したいこと」と「できること」を棚卸しし、世の中のニーズを探索し、どのニーズを満たしていきたいのかを考えます。そうすれば、できることを「増やしたい」のか「深めたい」のかも明確になります。
年末の売上げの追い込み、会社や個人目標の評価や達成の話しから、ひとりの人間として、そもそもどんな人生を渇望しているのか話しました。この機会に、個人としてどうしたいのか、何を達成したいのか、そのために今できること、これから磨いていくことを整理してみませんか。そして、世の中の需要を見据え、2020年からの目標を作ってみてはどうでしょうか。
会社の目標に取りかかる前に、一歩立ち戻り、個人レベルの目標から考えてみてはいかがでしょうか。