スキルマップは「技能マップ」「力量管理表」とも呼ばれ、組織の従業員やチームのスキルとスキルレベルを可視化したスプレッドシートです。
(出典:マーケティングに強くなる「スキルマップ」作ってみた)
作り方は至って簡単。横にスキル欄、縦にメンバーです。スキルの深さ(熟練度)はマークを使って表わします。スキルマップの作成ツールもいろいろありますが、エクセルでカンタンに作れます。
なぜスキルマップなのか
スキルマップには3つの効果があります。
- 組織やチームの現状能力がわかる
- 人材育成
- プロジェクト開始時に必要な人を集められる
スキルマップがあれば、誰がどんなスキルを保持していて、そのスキルの深さもわかります。ですから、組織全体、部門やチームであれ、現時点の総合的なケーパビリティーを把握することができます。
その結果、二つ目の人材育成に繋がっていくのですが、不足している能力は外部から獲得するか、研修やOJTを通じて育成するしかありません。時間はかかりますが圧倒的に安いのは人材育成ですから、後者の選択をすることも多いです。
三つ目は、特別なタスクフォースを作って取り組むプロジェクト案件のケース。案件によって必要なスキルや経験は異なりますから、スキルマップを通してそれらのスキルを保持したメンバーを集めてプロジェクトを立ち上げます。コンサルティングファームでは、コンサルタント全員のスキルマップを管理していて、ミッションクリティカルな案件毎に必要なメンバーを募り、プロジェクト化します。これをグローバル規模で行うファームもあります。
スキルマップの効用はマネジメント観点だけではありません。メンバーは伸ばしたいスキル領域を示して、マネジメントから教育等の支援をもらうことにも使えます。人はリソースではありません。学ぶことでぐんぐん成長できます。興味のある分野を学んで力をつければ、それを使って組織に恩返しすることもできWinWinの関係なのです。
アジャイルの文脈でも、チーム形成時にスキルマップを作る事が多いです。アジャイルでは専門性だけでなく、専門に近い領域への能力拡張が期待されますから、スターティングポイントは現状把握のためのスキルマップ作成になります。
どんなスキルを含めるか
どのようなスキルを含めるかはインダストリーやドメインにより変わりますが、一般的には以下の項目を含んでいます。
- 業務知識(経営、マーケティング、営業、財務会計、人事、バックオフィス等)
- ヒューマンスキル(コミュニケーション、リーダーシップ、プレゼンテーション、ネゴシエーション、ファシリテーション等)
- コンセプチュアルスキル(企画力、分析力、問題解決力、創造力等)
- プログラミング言語(C、Java、JavaScript、CSS、Ruby、PHP等)
- ツール(Slack、JIRA、Box、コンフルエンス、Jenkins、Git、Cucumber等)
- 資格(CSM、CSPO、CSP、CST等)
組織やチームにとって意味ある基準で選びます。
そして、技能の練度や経験値は各種マークで表わします。
- ☆ エース、エキスパート、第一人者
- ◎ 独りで完遂できる
- 〇 補助があればできる
- △ 補助的な支援ができる
- ♡ 未来にスキルアップしたい
人間は成長しますからスキルマップも定期的に見直して継続的に手入れしていきます。簡単に作れる割に効果は大きいのでROIは高いです。年始にあたり、まずは現在のスキルマップを作ってみてはいかがでしょうか。