アジャイル開発では、決定的な判断をぎりぎりまで先延ばしします。
リーンの考え方として、判断を遅らせるという原則があります。判断を遅らせることで、判断に必要な多くの情報を集めてから決めることができます。プロジェクトの初期ではあらゆる情報が決定的に不足しています。そのような状況で一か八かの判断をすることはリスク以外のなにものでもありません。
プロジェクトがユニークであればあるほど、予測可能性は低く、不透明な状況になります。このタイミングでプロジェクトの全体計画をしたり、全体見積りをしたり、一括契約をすることをアジャイル開発では嫌います。
大きな判断はぎりぎりまで先延ばしします。安易にきめてしまうと守れないリスクが高まります。人間は不完全なのです。不透明な未来を見越してコミットすることは無謀というものです。
就職や結婚と同じく、ぎりぎりまで先延ばししてから決定する方が成功率は高まります。
アジャイル開発におけるアーキテクチャも多くの選択肢を維持し、最終的な絞り込みはぎりぎりまで遅らせます。
アジャイル開発では、プロジェクト初期にリスクを果敢に刈り取る動きをとりますが、一方で決定的な判断はぎりぎりまで先送りします。