PRINCE2 Agile モスクワ分析の使い方

モスクワ分析をご存じの方も多いと思います。今回は私のモスクワ分析の使い方をお話したいと思います。

モスクワ分析は、英語でMoSCoWまたはMOSCOWと書きます。一般的には前者ですが、全部大文字でも構いません。DSDMと呼ばれるプロジェクトフレームワークから来ており、要求や作業の優先付けに使われます。

MoSCoW:

  • M: MUST
  • S: SHOULD
  • C: COULD
  • W: WOULD NOT HAVE THIS TIME

私がモスクワ分析を使うタイミングは、プロジェクト開始時、リリースや契約の境目(プリンスでいう、プロジェクト・ステージバウンダリー)です。

要求をモスクワ分析の4つの優先度で分類します。イメージはこんな感じです。

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(出典:Sketchplanations.com)

ユーザーグループやお客様によっては、Could/Would Notが皆無なこともあるので、あらかじめターゲットとなる数値を設定しておくのもお薦めです。Could:20%、Would Not20%など。

その後、MustとShouldでストラテジーマップをつくります。私のやりかたは四半期単位で区切って、ステークホルダーにMustとShouldを希望のQにエントリしてもらいます。

Q1 / Q2 / Q3 / Q4 / 2021 & beyond 

その後、直近の3ヶ月の要求や作業セットについて具体的にランキングをつけていきます。MustとShouldばかりなので、競合する要求ばかりですが、これをあらゆるテクニックを使ってランキングします。例えば10個のMustがあるとすると、1から10まで順番にランキングします。重要「度」ではなく、シビアに重要「順」です。

後は、PBRとイテレーションプランニングでインクリメンタルに準備して実装していきます。

モスクワ分析は対象アイテムの粒度が大きく、抽象度が高い場合に有効です。要求であれ作業であれ、具体性のないものを緻密にランキングする意味はありません。度合いでざくっと分類し、緊急度・重要度の高いモノから詳細化しランキングしてから取りかかっていきます。

プロジェクトのエグゼクティブレベルとチームレベルで、気にするスコープとプランの粒度が異なるので、2段階で説明するとわかってもらいやすいです。是非ためしてみてください。