居酒屋や焼き鳥屋では、食べたいものから少しずつ注文していきます。注文したものを平らげたら、次に食べたいものを注文して、食べ終わったらまた次のを注文していきます。そうして、好きなものを好きなだけ食べて満足したらお支払いをしてお店をでます。
前提として、メニューの全てを注文する必要はありませんし、どのページのどの料理から頼んでも構いません。極端な話、デザートから頼んでも構いませんし、同じメニューを連続で頼んでもかまいません。
ソフトウェアの開発もこの要領で進めるとうまくいきます。
食べたいものを一度に注文してくれと言ってはダメなのです。もし一度しか注文できないとすると、あれもこれもとたくさん注文してしまうことになります。足りないと困りますから、多めに注文することになります。飲み物もまとめて頼むと飲むとき残念なことになります。一度に3杯のビールを頼んでも、2杯目から炭酸が抜けていますからおいしくありません。料理もベストの状態で味わえません。冷奴はぬるくなり、サイコロステーキは冷えてゴムのようになってしまいます。
店としては正確にドリンクや料理を提供しているのですが、消費者の満足度は低くなるし、大量に残って無駄が生じます。おなかが空いていると勇んで注文しますから、なおのことたちが悪いです。
消費者はいまの気分に応じて、JITで料理を提供してもらいたいのです。そのためには、小ロットでいつでも注文できる仕組みがいいのです。小ロットであればサービス提供までのリードタイムは短くなりますし、お店としても無駄な料理を作る無駄を省けますし、サクッと飲んでさくっと引き取ってもらえれば資金回収までの時間も短縮できます。
発注や注文を一度にまとめるということは、あらゆる無駄を生む原因になります。必要なものを、必要な時に、必要なだけJITで届けたいものです。