8月に先祖の墓参りをしてきました。コロナ禍ではありましたが、8月を逃すと今年は墓参りできそうもなかったので、車を走らせてお墓参りしてきました。移動は天気のいい日でしたが、山を越えなくてはならず長いトンネルがいくつもありました。そのひとつのトンネルでのできごとです。
追い越しレーンを走っていた時に、遠めに黒い物体が見えます。スピードを緩めましたが、その物体はどんどん近づき黒い車であることが判明しました。ヒヤッとして、ブレーキをかけて減速し、なんとかしのぎました。その車は高速道路にも関わらず、時速50キロ程で、それも追い越し車線をライトも点灯せずに走っていたのです。また、あるあるなのですが、車体はブラックでした。
言わずもがなですが、トンネルでは黒いボディは同化します。ライトも点灯しないと尚のこと見分けがつきませんから、発見が遅れます。スピード格差があるとあっという間に追突されます。山間の薄暗いトンネルで、ライトもつけずに走行する車に追突した場合、どちらが悪いのかわかりませんが、このようなシチュエーションでは、自らの置かれた状況の透明性を高めることが非常に大事です。さもなくば大きな事故につながります。
スクラムの3本柱として「透明性」「検査」「適応」があります。これは作っているものや作業状況の透明性を高め、検査と適応ループを回すことですが、起点は「透明性」です。透明性が不完全ですとそのあとの「検査」と「適応」も不完全なものになってしまいます。完全なる「透明性」こそが、正しい「検査」と正しい「適応」を導くのです。
古びた暗いトンネルでは、青空の4車線の高速道路に比べて格段に視界が狭まります。このような状況はアジャイルが使われる状況と類似しており、注意深い人もそうでない人も、万人が気づけるように状況をクリアにすることが不可欠です。明らかにすれば、気づき、行動へとつながります。
アジャイル開発では、検査と適応が遅れても人が死んだりすることはありません。しかし、不透明な状況であればあるほど、透明性を高める努力は欠かせません。スクラムチームは、自分たちの状況を100%の透明性をもって示します。