エクスペリエンスデザインをどこから始めたらよいのか

世の中は多くのサービスであふれています。利用者として多くの選択肢があることはありがたいことですが、プロダクトの提供側からすると非常にチャレンジングな環境と言えます。

このような状況下では単にプロダクトアウトしても誰にも刺さりません。私たちは利用者に寄り添い、利用者の体験をアップグレードすることが求められています。

ではどこから利用者の体験を作っていくのかですが、これは頻度の多い体験からになります。

プロダクトには入口と出口があり、その中間が利用期間になります。入口は新商品や新サービスの申し込み、出口は退会にあたります。入口を簡素化して始めやすいようにすることはもちろん大切ですが、肝になるのは利用期間です。ここが利用者の目的を達成する期間であり、利用者の体験を最適化して満足度を最大化することができる期間になります。

例えば、銀行のサービスは口座の開設から始まり、各種サービスの提供、最終的に口座の解約(退会)があります。真ん中のサービスとして以下のものが挙げられます。

  • 残高確認
  • 入出金明細確認
  • 振込・振替
  • 公共料金口座振替
  • 外国送金
  • 定期預金
  • 投資信託
  • 外貨預金
  • 住所・連絡先変更
  • 暗証番号の変更登録
  • クレジットカード
  • ご利用限度額の変更
  • 宝くじ
  • 住宅ローン
  • オートローン
  • 教育ローン
  • フリーローン

これらのサービスの中で、最も利用頻度が高いものからエクスペリエンスを作っていくことになります。頻度の低いものは後回しです。住宅ローンやオートローンは口座単位で1回とか5年に一度でしょうから、最初に磨いていくエクスペリエンス領域ではありません。一般的に、残高確認や入出金明細が頻繁に起こるエクスペリエンスではないでしょうか。利用者ペルソナによっては、外貨送金や宝くじも高い頻度で発生するかもしれません。

私は通常以下の流れで、優先順位を決めています。

  1. カスタマージャーニーマップで全体を俯瞰
  2. 利用者とのタッチポイントを特定
  3. 各タッチポイントにおけるインタラクション頻度を集計
  4. 棒グラフやレーダーチャートでインタラクション毎の頻度を可視化
  5. 最も頻度が多い領域から針を刺していく

具体的な領域が決まったら、そこで利用者は何を達成しようとしているのか目的を明確にします。そして、その目的を達成する最適なソリューション(サービスコンテンツやメニュー)をデザインしていきます。

プロジェクトの時間は常に限られています。利用者が最も欲しているサービスからエクスペリエンスをグレードアップしていくことで、利用者満足度の最大化を目指します。