点からはじめよう

点をつなげて線になり、線を太くして面になるような話をちょくちょく耳にします。

とりあえず点からはじめてみるという意味で、全体の絵を見てから逆算して描いていく方法の真逆のアプローチです。

完成された画家の絵が、イメージ通り描き進めたらそうなったのか、描いているうちに変化していったのか、画家本人にしかわかりません。

私はどちらもあると考えています。理想とするイメージがあり、それを忠実になぞっていった結果完成したパターン。一方、完成イメージはあったものの、描き進めていくうちに試行錯誤を重ねて当初考えていたのと違う形で完成したパターン。どちらも完成であり価値があります。

現代は完成形を描くのが難しい時代だと思います。とくに、描き始めてもいない段階でありありと完成イメージを描ける人はほとんどいません。

ものごとは描き始めることで具体化します。多くのことは、はじめることでイメージが湧いてきます。日々悩んでも完成イメージが精緻化することはありません。手を動かしてやってみることで、だんだん見えてくるのです。

解像度が高くなくても、わかることからはじめてみる。点から描いていく。点が線を呼び、線が面を呼んでくれます。まずは最初の点からはじめましょうか。