たまには隣のスクラムチームに出張する

世の中にはスクラムマスターとアジャイルコーチと呼ばれる似て非なるロールがあります。スクラムインクにはスクラムコーチもいますが、最も浸透しているのはスクラムならマスター、アジャイルならコーチだと思います。

スクラムマスターはスクラムチームの一つのロールです。そしてスクラムチームのメンバーでもあります。

一方、アジャイルコーチはスクラムチームの外の役割で、通常組織レベルのアジャイル変革を支援するロールです。

アジャイルコーチであれば、複数のチームを支援することが一般的ですので、同時に3チームを見たり、ローテーションでスクラムイベントに参加したりします。

一方スクラムマスターはスクラムチーム固定のロールですので、同じチームに張り付くことが多いです。もし、あなたがスクラムマスターで、ひとつのチーム専任でスクラムの安定化をしているとしたら、是非他のスクラムチームもサポートしてみてください。

ウォーターフォール型ではプロセスに人を合わせますので、どのプロジェクトも似た動きをします。一つのプロジェクトだけ特殊なことをしてはいけません。

一方アジャイルでは、プロセスをチームにあわせます。チームがプロセスを調整します。ですから同じスクラムマスターであっても、チームが困っているポイントは異なります。スクラムマスターとして新しい課題を知ることができ、チームと共に考えることができます。

メリットはスクラムマスターだけではありません、チームにとっても新しいスクラムマスターと関わることは新鮮で、新たな気づきにつながります。小学生の時に担任の先生以外の先生が来ると気になって話を聞いてしまうのと同じです。そして、その先生の言葉の方がよく覚えていたりします。

もしあなたがスクラムマスターなら、隣のチームのスクラムマスターとペアでファシリテーションしたり、たまにはバトンタッチしてください。隣のスクラムマスターもあなたのやり方からインスピレーションを得られますし、チームも新鮮な気持ちでスクラムイベントに向き合えます。