スクラムにリリースプランニングがない理由

スクラムにはリリースプランニングはありません。あるのはスプリントのプランニングのみです。

スクラムガイドによると、スプリントは「1か月以内の決まった長さ」です。すなわち、1か月以内にDoneの定義を満たす完成品をつくり、レビューしてふりかえりまで終えなくてはなりません。

スクラムではスプリント毎にリリースまですることを想定しています。スプリント中に何度もリリースすることを想定しています。つまりスプリント毎に完成度を高めていって、数スプリントを経てリリースするという概念はありません。スクラムの目的は、スプリント単位で少なくとも1回リリースすることなのです。

スプリント毎にリリースすることで顧客からのフィードバックを獲得し、顧客を正しく理解することができ、プロダクトバックログを創発的にアップデートすることができます。曖昧模糊な状況で、1か月以内にリリースできないこと、思い込みで開発を続けることはリスクです。

リリースプランニングがないと全体感がなくて不安だといわれることがあります。スクラムでは定期的なリファインメントを通して、未来の予測可能性を維持します。プロダクトバックログの手直し(PBR)を機能させることで、プロダクトの透明性を維持し、毎回のスプリントに集中できるようにします。