シンプルさの美学

大量であることはノイズでしかありません。

量をつくることは価値をつくることではありません。量を抑えることが価値を際立たせます。

例えば、テレビのリモコン。私が使うのは、電源、チャネル、音量です。他のボタンはノイズです。

例えば、車のインターフェース。私が使うのは、走る・曲がる・止まるです。あとはエアコンとBGMくらいです。春や秋は窓の開閉で調整します。シートクーラー・ヒーターがあればエアコンも必要ありません、少なくともドライバーには。

あらゆることにおいて、機能が過剰なのです。ありすぎるのです。やりすぎるのです。

たくさんあると迷います。間違えます。組込み式のプロダクトの場合、時には死にかけます。

日本ではおもてなしの名のもと多機能が美徳とされています。シンプルさに宿る美学をおろそかにしてはいけません。

シンプルさを維持するには勇気がいります。多機能をやめる勇気が、伝わる価値をつくります。