スクラムには3つの役割があるが、スクラムマスターはローテーションするのがいい。
プロダクトオーナーはプロダクトのエキスパートで、プロダクトの価値を最大化するために最終的な判断をするロールだ。だから、担当するプロダクトに、専任、かつ長期的に関わっていく必要がある。
開発チームもプロダクトドメインの理解を深めながら、最適なソリューションを検討し、長期的にヘルシーなプロダクトを維持していくロールだから、こちらも専任で安定したチームである必要がある。
だがスクラムマスターはこの限りではない。
スクラムマスターはプロセスファシリテーターであり、阻害要因を取り除くロールだ。プロダクトについて決定権がある訳でもなく、実装責任がある訳でもない。スクラムチーム発足時は非常に忙しいロールだが、しっかり障害を解消していけば次第に落ち着いていく。だから、2~3チーム兼務のスクラムマスターがいる訳だし、それも上手く支援できている訳である。
プロダクト毎に、対象利用者や要求の内容も異なる。実装に必要となる開発言語も異なるだろう。だが、スクラムチームを支援し奉仕するスクラムマスターのロールとしては共通なものが多い。同一組織内のスクラムチームであれば、組織上の障害(制約)は似たモノであるケースも多い。
スクラムマスターに限って言えば、いろんなチームをローテーション制で支援することが成長に繋がる。様々なチームの多様な課題を解決していく中で、スクラムマスターの問題解決能力はどんどん磨かれていく。
人は多すぎる変更は望まないので、タイミングは選ばなくてはならないが、チームが安定し、開発メンバーの自己組織化が進めば、他のチームも兼務で支援したり、新たなチームをサポートしていこう。
どんなチームも支援できる能力を備えたスクラムマスターは組織にとっても頼もしいことだ。
Scrum Boot Camp
スクラムマスターのバイブル的な書籍。非常にわかりやすく書かれている270ページ程の書籍。著者は日本を代表するアジャイル権威者である西村直人氏、永瀬美穂氏、吉羽隆太郎氏である。
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