英語では「カスタマー」と「コンシューマー」ですが、日本語だと「お客さん」です。クライアントとお話していて、「お客さん」がでてくるとたびたび混乱することがあります。その理由に「カスタマー」と「コンシューマー」、加えて「トレードカスタマー」と「代理店」が全て「お客さん」になってしまうからです。今回は、これらの違いを厳密に理解した上で使い分けようというお話です。
まず「カスタマー」と「コンシューマー」の違いから。
カスタマー | 製品やサービスを購入する人。お金を払う人 |
コンシューマー | 製品やサービスを消費する人。使う人 |
もちろん「カスタマー」と「コンシューマー」が同じ人であるケースもあります。男性が自分が使うためにスポーツカーを購入するケースはこれにあたります。
一方、異なるケースは親が子供にお菓子を買ってあげるケース。祖父母が孫にランドセルや学習机を買ってあげるケースです。
カスタマーとコンシューマーが同じ人物かどうかに関わらず、重要なポイントはコンシューマーにとってアピールがあることです。コンシューマーが気に入らないものをカスタマーが購入するインセンティブはありませんから、コンシューマーの嗜好を製品の受入基準として満たしていくことが重要です。お菓子の例では、親が購入する上で、害はないか、カフェインは入っていないか等も追加で満たすべき満足条件になります。
次にトレードカスタマーと代理店を見てみましょう。
トレードカスタマー | 製品やサービスを購入し、付加価値と利益を載せて販売する人や組織 |
代理店 | 製品やサービスを販売し、手数料を稼ぐ人や組織。製品やサービスを扱うだけで、購入しない |
トレードカスタマーは製品・サービスを購入してくれるお客様になります。従って、彼らのニーズも満たすことが重要です。
代理店は百貨店や金融機関等で製品やサービスの媒介をしてくれる人や組織です。彼らにとって扱いやすい商品であること、売りやすい商品であることも重要です。また、代理店として顧客満足度を高めるために、カスタマーや消費者が満足してくれることもポイントになります。
ひとことで「お客さん」と言っても4つのタイプのお客さんがいます。そして彼らの視点と要求をバランスよく満たしていく製品・サービスが求められます。
これらの4つのお客様で共通の要求や品質は完成の定義に含めます。個々のペルソナにより変わってくる要求は受入基準になります。
正しいプロダクト制作には正しいお客さんの定義が必要です。