アジャイルを推進したら実現できたメリット2つ – 圧倒的な投資対効果とシンプルな予算管理のしくみ

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アジャイルでプロダクト開発を進めていく場合、予算はどのように管理していけばいいのだろうか。

一言でアジャイルといっても、一部の成果物だけアジャイルで作っているような、ウォーターフォールとのハイブリッド型もあるだろう。

ここでは、全ての成果物をアジャイルで作る前提で話をする。

まず、はじめに、アジャイルで進めると言うことは、実装単位が「プロダクト」になることである。
プロダクトバックログと呼ばれる要求一覧を基準に、上位の価値の高いモノからカタチにしていく。

いわゆる、経営戦略を「プロジェクト」ではなく、「プロダクト」に割り振って、実行していく

ライフサイクルはプロダクトの方が長い。
プロダクトライフサイクルは、以下の流れである。

  1. 導入
  2. 成長
  3. 成熟
  4. 衰退

従来のプロジェクト思考では、同一プロダクトでも、フェーズ毎にプロジェクトを立上げる。

  1. 新商品立上げプロジェクト
  2. 機能追加、販売チャネル拡充の成長戦略プロジェクト
  3. プロダクトライフサイクルを長くする、飽きさせない、競争力維持の下支えプロジェクト
  4. 振るわなくなった商品を手仕舞うプロジェクト

これ以外にも、春や年末の販促キャンペーン、目標達成時の手数料上乗せキャンペーンなんかもプロジェクト化すると、単一プロダクトに投下されるプロジェクト数は相当なものだ。

プロダクト思考なら、ライフサイクルも、守備範囲も広くなる。

全てのニーズを、一本のプロダクトバックログに装填して、その中で重要なモノからカタチにしていく。
プロダクトオーナーが一気通貫で、要求を評価し、優先順位を付ける。
だから、同じプロダクトのテーマで、競合するプロジェクト間のリソースの奪い合いは発生しない

更に、プロジェクトには、スタートとエンドがある。

スタート時にリソースを立上げ、エンド時にリソースを解散する。
共通するプロダクトの類似テーマでありながら、毎回、新しいメンバーで、(前知識なく)ゼロベースで開発を重ねていくことになる。

短期間のプロジェクトではオーバーヘッドが大きい。痛い状況だ。

プロジェクトは、予算を取得する上で、大変わかりやすい仕組みだ。
新しいことをするのだから、当然お金がかかる。
マネジメント層も、お金がかかる前提で、いくらかかるのか聞いてくる。
金額の妥当性はともかく、お金の承認を得るには非常に優れた仕組みである。なんでも、プロジェクト化すれば、予算を承認してもらいやすい。

だが、ひとつのプロダクトを複数のプロジェクトに切り刻み、プロジェクト化するたびに、新しいリソースを投入して、ゼロベースで開発を繰り返すのは、非常にムダの多い仕組みでもある

下手をすると、予算の半分くらいはムダなお金なのではないか。

アジャイルでは、同じテーマの要求は、一律、共通のプロダクトバックログにまとめる。
そして、プロダクトオーナーが決めた優先順位に従い、上位の価値の高いモノから、順番にカタチにしていく。

そして、リソースは安定したチームだ。
リソースはプロダクトに紐付く。
プロダクトライフサイクル通して、固定され、維持される。

だから、時間の経過に伴い、チームはどんどん成長していく。
さまざまな案件をさばいていくから、扱うドメインに関する知識も蓄積されていく。
実装スピードも、もりもり加速していく。

安定したプロダクトの仕組みの中で、立上げもメンテナンスも一気通貫で、同一チームが世話していく。
プロダクト・ドメインに関する深い理解と洞察力を武器に、長期的な視野で、顧客の価値を実現していく。

投資対効果は、プロジェクト思考からプロダクト思考に切り替えるだけで、圧倒的に高くなる。

そして、予算の承認も管理も、カンタンだ。

リソースは、自前の開発者だけでなく、協力会社のエンジニアも含まれるかもしれない。
一般的に、準委任契約(タイム&マテリアル)だから、月単位のプロフェッショナルフィーのかけ算だ。

月単位なら、単月のコストだし、四半期単位なら、3ヶ月分の合計コストだ。
シンプルに月数を掛ければいい。

リリース毎に評価し、顧客価値を確認してからファンディングするなら、月単価にリリース月数を掛ければいい。
リリースで実現される価値を、リリースに掛かったコストで割れば、ROIが出る。
カンタンである。

他にかかるコストは、追加でサーバーを購入する等、ハードウェア位であろう。

プロダクト思考に意識を変えるだけで、投資対効果が圧倒的に高まる。そして、予算管理も極めて単純明快になる。

アジャイル方式で、プロダクトバックログを軸に進めていくことで、プロジェクト化に伴う、人や予算の変動要因を撤廃できる。

それに、専任の固定チームがプロダクト・ライフサイクルを通して支援していくから、安定感バツグンだ。

ドメインを知り尽くしたチームだから、プロダクトの全体最適を推進できる。
本質的な顧客価値を創造できる。

アジャイルを推進するなら、プロジェクト思考からプロダクト思考に切り替えよう
断片的なプロジェクトスコープの集合体から、包括的で優先順位順に並べられたプロダクトバックログに切り替えよう。

プロダクトオーナーの優先順位に従い、専任チームに任せ、顧客価値を創造していこう。

予算管理は、時間軸でカンタンだ。

承認者もリリース単位でROIを把握しやすい。

アジャイル化とは、プロダクト思考である。
プロダクト思考を徹底することで、自然と2つの大きなメリットを享受できる。

  • 包括的「プロダクト思考」による全体最適
  • シンプルな予算、およびROI管理

「プロダクト思考」についてもっと知りたい人は、クレッグ・ラーマン、バス・ボッデ両氏のLeSS(Large-Scale Scrum)を参考にして欲しい。

アジャイル関連の書籍で、最近私がもっともインスピレーションを受けた一冊である。

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