プロジェクトマネージャーとスクラムマスターの共通点と相違点

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プロジェクトマネージャーは、コマンドアンドコントロール(指示型)。

スクラムマスターは、サーバントリーダーシップ(奉仕型)と言われる。

対照的なようだが、実は共通点も多い。

行動は違うが、目の付け所は同じだ。

プロジェクトトマネジメントは、別名「リスクマネジメント」と言われるが、PMのリスク察知能力はそのままスクラムマスターとしても活かせる。

このままいくと、予算がなくなる、時間が足りなくなる、この仕様変更を取り込まないとビジネスオーナー(またはプロダクトオーナー)は満足しない等、PMとしての勘所や経験はそのままスクラムマスターにも活かされる。

違うのは、プロジェクトマネージャーは自分で解決策を決め、チームに指示するのに対し、スクラムマスターは、開発チームに「気づき」を与え、自律して行動するよう促すことだ。

気づきを与えるために、いい質問を多角的にしないといけない。質問を通して考えさせ、自分たちで解決策を見つけるよう仕向けないといけない。

質問はオープン形式でする。開発者自身が、自分の意見として、解決策を発表してもらうようにする。自分で決めれば、課題に対するオーナーシップが芽生える。結果、解決できるまで、粘り強く行動できる。

チームが主体的に思考し、自律して行動する習慣がつくまで、スクラムマスターには忍耐が必要だ。

スクラムマスターは、プロジェクトマネージャーよりも忍耐力がなくては務まらない。なぜなら、命令して、やらせてはいけないからだ。
チームを観察し、必要な気づきを与え、支援しながらチームを育てていく。非常に骨の折れる仕事だ。

開発メンバーが協力会社から派遣されている場合、スクラムマスターはお客様だから、命令すると萎縮してしまう。そして、指示通りしようとする。
自分たちで判断するのはリスクが伴うから、指示してくれるなら従っておく方がラクだし安全だ。

だが、指示通り作られた製品やサービスは、創った本人のハートがこもってないからよくない。
他人事で作られたプロダクトは、顧客を感動させることはない。
作り手が誇りとこだわりをもって、丹精込めてつくるから、価値あるプロダクトができるのである。そして、お客様が感動するのである。「よくぞ、これほどの商品をつくった」と心を打たれるのである。

どんなプロダクトも、自分事として作らないと価値がない。他人事のプロダクトは、もう世に溢れている。そんな製品・サービスを積み上げても時間の無駄だ。

開発者が主体的に作るプロダクトは、匠の仕事に変わる。作り手のオリジナリティーが注入されるから、唯一無二のプロダクトになる。

スクラムマスターの仕事は、開発チームの主体性を引き出し、作り手の自律した行動を促し、チームの障害を取り除き、作り手が100%創ることに打ち込める環境を整えることである。

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