プロダクトを開発する際、通常ニーズ分析から始めます。アジャイルのコンテキストであれば要求をストーリー化したり、従来タイプの開発であればビジネスの要件定義をします。
残念ながら、この流れで作っていくとイノベーティブなプロダクトに仕上がりません。そもそもニーズというものが顕在化しているのならば、既に世の誰かが作っているはずです。今はもう、製品とサービスが飽和状態で私たちのニーズは既に満たされているのです。
戦後の日本であればテレビが欲しいというニーズがありました。不足しているものがたくさんあったのでニーズがいっぱいあったのです。
今はテレビが欲しいと渇望する人はいませんし、車を持っていても羨望のまなざしで見られることもありません(フェラーリなら別かもしれませんが)。
つまり、あらゆるニーズは既に満たされていると考えることです。製品・サービスのニーズを漠然と分析するのではなく、ターゲットを決めて具体的なペインポイントを探すことが肝になります。
一つ例を挙げます。
私は普段テレビを観ませんが、土曜日の夜はまとめて3~4時間観ます。23時からはリビングを占拠して夜中観ているわけですが、いちいちリモコン操作するのは面倒です。23時になったら私好みの照明にセットして、テレビ番組を自動的にオンして、できれば飲み物なんかも持ってきてほしいのです。これらがIoTですべてできたらうれしいわけです。
ペインポイントを特定する上で、重要なのはペルソナを絞り込むことです。
ペルソナを絞ると、当然ターゲットとなるマーケットサイズは縮小します。しかしペインポイントは具体化します。ペルソナを絞らないと、ぶなんなペインポイントしかでてこず、結果、競合商品に埋もれてしまいます。ペルソナを絞ることでペインのエッジが立ちます。
万人が求めるニーズを狙っても今の時代訴求力はゼロです。ペルソナを絞り込んで、ペインポイントを明確化し、そこをピンポイントで刺していきます。刺さるサービスはペインポイントを捉えたサービスなのです。
次の要件定義、ペルソナの絞り込みとペインポイント起点で始めてみてはいかがでしょうか。