プロダクトの価値は鮮度が決め手

先日タクシーに乗っていた時の話です。運転手は全国区の高校野球チームのOBでした。

彼の話によると、1年生は底辺です。先輩の言うことを何でも聞かなくてはなりません。ひたすらボール拾いをして練習なんてさせてもらえません。何度もやめようと思いながら、なんとか耐えて2年生になり、後輩ができます。そしてつらさもいくらか中和されます。そして、3年生になると一番偉い立場になります。だから後輩に何でも命令できるようになります。

昔は我慢すればするほど最後にいい目にあえる。我慢が報われるという美談でした。年を重ねれば底辺から頂点に行けるのです。必要なのは我慢する時間の長さです。

年次ベースで選抜したり、昇進するやり方は多くの凡庸な人を勇気づける仕組みでした。才能に関わらず長くチームや会社にいれば偉くなれる仕組みでした。

今、ここまで余裕のある会社はどんどん減ってきています。たとえチームや会社での経験が浅くても、能力があるなら取り立てていかなくては先細って言ってしまいます。現代は、才能がある人材を取り立てなくてはチームや組織そのものが淘汰されてしまう時代です。

対象となるプロダクトやサービスを維持していくためには、年次は無関係です。年次に関わらず、才能のあるタレントを重宝していかなくてはなりません。アイデアが斬新であるほど、既存の基準で測れない程ユニークであるほど、プロダクトの魅力を高める可能性が大きいのです。