顧客価値の実現は、組織のためのプロジェクトより顧客のためのプロダクトで!

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「プロダクト」とは、一体なんだろうか。

一般にプロダクトマネジメントで定義する「プロダクト」は広義だ。

プロダクトは有形無形、両方含む。
実際、顧客が手にとって触れることのできる商品から、触れることができないサービスまで、幅広く「プロダクト」と捉える。

例えば、クレジットカード。
プラスチックのカードだから、一応カタチはある。(上級カードになると、素材はチタンであったりするらしいが。。)

カードを通して受けられるサービスとして、持ち主の信用度合いに応じて、あらゆる物をサイン一つで購入できる機能がある。

知り合いでもないのに、持っていないお金を貸してくれる訳だから、ある意味すごいサービスだ。自宅を担保に入れている訳でもなく、あらかじめ、いくらかのお金を保証金として積んでいる訳でもない。
クレジットカードの、「クレジット」が意味するサービスそのものとは言え、便利な世の中になったものである。

クレジットカードは、カード自体は有形だが、機能としては、現金を貸すというサービスである。
だから、有形無形のハイブリッドなプロダクトと言えるかもしれない。

では、プロジェクトマネジメントとプロダクトマネジメント、いったい何が違うのだろう。

会社でなにか問題やニーズが起こると、プロジェクト化する話がよくあがる。
必要な人、時には、(よろしくないが)たまたま手が空いている人を集めて、タスクフォースを立ち上げて対応する。あなたもよく知るスコープだの、要件定義だの、WBSだの、というアレである。

プロダクト・マネジメントでは、プロダクト視点で課題を捉える。
お客様の困っていることや、ニーズを、製品やサービスを通して、解決を図る。

「プロジェクト」と「プロダクト」の違い。

  • プロジェクト
    組織の経営戦略実現の為、組織にとって扱いやすい単位で実施。組織事。
  • プロダクト
    顧客の為、顧客にとって価値のある単位で実施。顧客が直接使うもの。顧客事。

 

「プロジェクトマネジメント」と「プロダクトマネジメント」の違い。

  • プロジェクトマネジメント
    プロジェクト初期段階でベースライン化される予算・計画・スコープに沿って実施。
  • プロダクトマネジメント
    顧客価値に沿って実施。(初期の計画や元々の要求仕様と異なっても、顧客価値を高めるのであれば、計画やスコープを柔軟に変更して構わない。)

そして、導入するプロダクトは作って終わりではない。導入後、機能を追加したり、操作性を高めたりして、プロダクトを成長させていく。プロダクトは、プロジェクトよりずっと長いスパンなのである。

顧客の課題を、プロダクト視点で見ることは、製品やサービスをエンドツーエンドで見ていく事を意味する。すなわち、プロダクト・ライフサイクル(導入→成長→成熟→衰退)を一気通貫で見ていくことだ。

通常、プロダクト・ライフサイクルには、いくつものプロジェクトが散りばめられている。

  1. 製品やサービスの立上げプロジェクト
  2. 新たな機能の追加や操作性の向上など、既存製品・サービスのブラッシュアッププロジェクト
  3. 製品やサービスを支えている、システムの運用保守期間延長等の更新プロジェクト
  4. 最終的に、製品・サービスを手仕舞うプロジェクト

プロジェクトは、プロダクトを組織の都合のよいように切ってスコープ設定するから、目的が断片的になりがちだ。そして、局所最適に陥ってしまいがちだ。

プロダクトなら、長期的なプロダクトライフサイクルを通して課題を俯瞰する。だから、全体最適を追求しやすい。

プロダクト・マネジメントの要諦は、組織事であるプロジェクトではなく、顧客事であるプロダクトに焦点を当て、プロダクト・ライフサイクルを俯瞰した長期的視野で、製品・サービスをカタチにしていくことなのである。

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