プロダクトマネージャーは、担当するプロダクトの最高経営責任者である。
よく、プロダクトCEOとか、ミニCEOと言われる。
最高経営責任者だから、組織内外のあらゆる人たちへの説明責任がある。
組織の全方位にプロダクトを説明し、協力を獲得しなくてはならない。
全社レベルでの協力なくして、魅力的なプロダクトは生まれない。
関わる利害関係者のタイプもニーズも千差万別である。
だから、届けるメッセージもチューニングして、わかりやすいように工夫しなくてはならない。
聞き手にとって、心地よく、響く言葉で話さなくてはならない。
- 顧客やマーケットに対して、プロダクトがいかに魅力的で、デザイン性に優れ、彼らのニーズを満たすことができるのかを語る。
- 経営層に対して、経営戦略との整合性を強調し、いかに会社の市場価値を高めることができるかを語る。
- 営業に対して、競合する他社製品との差別化ポイント、プロダクトを紹介しやすいストーリー、販売を促進するキャンペーンについて語る。
- ブランディングに対して、新しいプロダクトが、いかにブランドの総合的な価値を高め、組織の認知度を高められるのかを語る。
- 財務に対して、投資利益率、投資の回収期間、財務健全性に寄与することを語る。
- 業務に対して、現行フローとの親和性、ストレスフリーで効率よく作業できることを語る。
- ITに対して、ソリューション・アーキテクチャーとの適合性、最新テクノロジーによる柔軟性、可用性、拡張性、運用保守の容易さを語る。
他にも対象者は多岐に渡るが、状況にあわせて、相手に刺さる言葉で表現していく。
その為に、プロダクトが相手にとってどんな意味を持つのか、相手への訴求ポイントがなんなのか、あらかじめ自分の頭で整理しておかなくてはいけない。
たかが言い方と思うなかれ。表現次第で相手の態度は大きく変わる。
プロダクトは同じでも、話を聞いてくれる人たちにとってメリットのある形で表現しないといけない。
プロダクトオーナーには、幅広い表現力と伝達能力が求められる。
標準語がいいのか、方言がいいのか、たどたどしくても現地の言葉で話しかける方がいいのか。
いいプロダクトでも、その製品やサービスの魅力を効果的に表現できないと効果は半減してしまう。
魅力的なプロダクトも、魅力的なプロモーションが必要だ。
アップル商品にもスティーブ・ジョブズという最高のプロダクトマネージャーがいただろう。
いいプロダクトは、気分をあげるチカラがある。
人の人生を豊かにする。
人の生活にほっとする安らぎを与え、満ち足りた気分を与え、喜びを与える。
プロダクトマネージャーは、プロダクトを相手に響く形で伝える。
聞き手を尊重し、相手の身になって、プロダクトを語る。
赤ちゃんに話すときを思い出そう。難しい単語を使ったり、起承転結を考える人はいない。
赤ちゃんに合わせてアブアブアブ~と始めるだろう。
プロダクトオーナーにとって一番重要なのは、真の価値を備えたプロダクトを作ることである。
そして、次に重要なのは、聞き手のココロの琴線に触れるカタチでプロダクトを魅力的に語り、ファンになってもらうことである。